「うちは家族みたいな会社です」と言われた人の話
― その言葉の“意味”を、ちゃんと考えたことはありますか? ―
その人は、面接でこう言われました。
「うちは家族みたいな会社です」
面接官は笑顔でした。
職場の雰囲気も良さそうで、悪い印象はありませんでした。
むしろそのときは、
「温かそうな会社だな」と思ったそうです。
※創作話です
■ 入社してすぐは、確かに“家族”のようだった
入社して最初の数ヶ月は、居心地も悪くありませんでした。
先輩は優しく、分からないことも教えてくれる。
上司もフレンドリーで、距離が近い。
ちょっとしたミスをしても、
「まあ、最初はそんなもんだよ」と笑ってくれる。
確かに、どこか“家族的”でした。
■ 少しずつ、違和感が増えていった
でも、ある日から少しずつ空気が変わります。
・定時で帰ろうとすると「今日はもう帰るの?」と言われる
・休日に連絡が来ても、断りづらい
・飲み会は「全員参加が当たり前」という雰囲気
・プライベートな話にも、自然と踏み込まれる
最初は気のせいかと思っていたそうです。
でもあるとき、ふと気づきました。
「あれ、これ“会社”じゃなくて、“断りづらい関係”になってない?」
■ 面白いうんちく:「心理的契約」という考え方
ここで一つ、ちょっとしたうんちくです。
組織論には
「心理的契約」
という考え方があります。
これは、契約書には書かれていないけれど、
お互いが「なんとなく期待していること」のことです。
例えば――
・会社は「これくらいはやってくれるよね」と思っている
・社員は「これくらいは守ってくれるよね」と思っている
このバランスが崩れると、
人は強いストレスを感じると言われています。
■ 「家族みたい」という言葉の裏側
「家族みたいな会社」という言葉は、
一見すると良い意味に聞こえます。
でも実は、この言葉には2つの意味があります。
① 良い意味の“家族”
・助け合える
・距離が近い
・安心感がある
② 注意が必要な“家族”
・境界線があいまい
・遠慮が必要
・断りづらい
問題は、
どちらの意味で使われているか分かりにくいことです。
■ その人は、ある日こう思った
ある日、体調があまり良くない中で出勤したとき、
上司にこう言われたそうです。
「家族なんだからさ、こういうときこそ助け合いでしょ」
その瞬間、その人は思ったそうです。
「これは優しさじゃなくて、“逃げられない言葉”かもしれない」
■ そして、その人は転職した
その人は、しばらく悩んだあと転職しました。
転職先は、いわゆる「家族的」な会社ではありません。
でも、
・勤務時間はきちんと守られる
・休みはしっかり取れる
・仕事とプライベートの線引きが明確
という環境でした。
その人は後からこう言ったそうです。
「あのとき初めて、“会社と家族は違っていいんだ”と思いました」
■ 本当に大切なのは「距離感」かもしれない
会社に温かさがあることは、とても大切です。
人間関係が良いことも、働きやすさにつながります。
でも同時に、
適度な距離感やルールがあることも、同じくらい重要です。
40代になると特に、
仕事だけでなく家庭や自分の時間も大切になってきます。
だからこそ、
「何を大切にできる環境か」は、しっかり見ておきたいポイントです。
■ 最後に
「うちは家族みたいな会社です」
この言葉が、
本当に温かい意味なのか、
それとも少し注意が必要なサインなのか。
それは、外からはなかなか分かりません。
だからこそ一度、
他の会社はどんな働き方なのかを知ってみること。
それだけでも、
今の職場の見え方は少し変わります。
OKBおしごとナビには、
岐阜・愛知で“ちょうどいい距離感”で働ける企業も多く掲載されています。
転職を決めなくても大丈夫です。
ただ、「他の選択肢」を知っていることが、
安心して働き続けるための一つの準備になるかもしれません。